いわせ薬局

2026.06.16

高齢者の脱水を防ぐ水分補給のコツ|四万十市の薬剤師が解説

高齢者の脱水を防ぐ水分補給のコツ|四万十市の薬剤師が解説

「お父さん、ちゃんと水を飲んでいる?」その心配、正解です

「何度声をかけても、なかなか水を飲んでくれない」「本人は喉が渇いていないと言うけれど、大丈夫なのか心配」――高齢の親を持つご家族から、こうしたご相談をいわせ薬局(高知県四万十市)でもよくいただきます。

実は、高齢者の脱水は熱中症・意識障害・脳梗塞・腎機能低下など、深刻な健康トラブルの引き金になる可能性があります。しかも本人が「喉が渇いた」と感じにくいため、気づかないうちに症状が進んでしまうことも少なくありません。このページでは、薬剤師の視点から高齢者の水分補給と脱水予防について、わかりやすくお伝えします。

なぜ高齢者は脱水になりやすいの?主な原因

高齢になると、体の構造や機能が変化し、脱水リスクが高まります。主な理由を整理しておきましょう。

  • 体内水分量の減少:成人の体の約60%は水分ですが、高齢者では約50〜55%まで低下します。もともと「水分の貯蔵タンク」が小さいため、少し失うだけでも脱水状態になりやすいのです。
  • 口渇感覚の低下:加齢とともに脳の口渇中枢が鈍くなり、「喉が渇いた」というサインが伝わりにくくなります。国立長寿医療研究センターの研究でも、高齢者は若年者に比べて口渇感が生じにくいことが示されています。
  • 腎臓の尿濃縮機能の低下:若い頃は尿を濃縮して水分をキープできますが、高齢になるとその機能が衰え、尿と一緒に水分が失われやすくなります。
  • 筋肉量の減少:筋肉には水分が多く含まれています。サルコペニア(筋肉量低下)が進むと、体全体の水分保持力が落ちます。
  • トイレを気にして水分を控える:「夜中にトイレに起きたくない」「尿漏れが心配」という理由で、意識的に水分を制限してしまう方が多いです。
  • 利尿作用のある薬の服用:高血圧や心不全の治療で使われる利尿薬は、尿量を増やすため脱水を招きやすくなります。

こんなサインに要注意!脱水の早期チェックリスト

ご家族が次のような状態になっていたら、脱水が始まっているサインかもしれません。早めに対処することが大切です。

  • □ 口の中や舌がネバネバ・カラカラしている
  • □ 皮膚をつまんで離しても、なかなか元に戻らない(ツルゴール反応の低下)
  • □ 尿の色が濃い黄色〜茶色になっている
  • □ 1日の排尿回数が極端に少ない(3回以下など)
  • □ なんとなくぼーっとしている、ふらつきがある
  • □ 急に食欲がなくなった、元気がない
  • □ 頭痛や立ちくらみがある

これらのサインが複数当てはまる場合は、すぐに水分を補給しつつ、かかりつけ医や薬局にご相談ください。意識がもうろうとしている・呼びかけに反応しないといった場合は、迷わず救急車を呼んでください。

薬剤師が教える!高齢者の正しい水分補給のポイント

1日に必要な水分量の目安

厚生労働省の「健康のために水を飲もう」推進運動でも示されているように、成人が1日に必要とする水分量は食事から摂る分も含めて約2〜2.5リットルが目安とされています。高齢者の場合も、食事からの水分(約1〜1.2リットル)に加え、飲料水として1〜1.5リットル程度を目標にすることが推奨されています。

効果的な水分補給の方法

  • 「喉が渇く前に」こまめに飲む:1回にたくさん飲むのではなく、1〜2時間おきにコップ1杯(約150〜200mL)を目安に少量ずつ補給するのが理想です。
  • 起床直後・就寝前に必ず1杯:就寝中は知らずに汗をかきます。起き上がった直後と寝る前のコップ1杯は脱水予防に有効です。特に四万十市の夏は高温多湿になるため、この習慣は非常に重要です。
  • スポーツドリンクや経口補水液を活用:水だけでなく、ナトリウムなどの電解質も補えるスポーツドリンクや経口補水液(ORS)は、脱水が疑われるときに特に効果が期待できます。ただし糖分・塩分が多いため、糖尿病・高血圧・腎臓病の方は医師・薬剤師にご相談ください。
  • 食事でも水分補給:汁物・フルーツ・寒天ゼリーなど、食事の中で水分を摂れる工夫も有効です。「飲む」のが苦手な方には食事ベースの補給も選択肢のひとつです。
  • カフェインの摂り過ぎに注意:コーヒーや緑茶はカフェインの利尿作用があるため、メインの水分源にするのは避けましょう。

服用中の薬が脱水リスクを高めることも

利尿薬・降圧薬・糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)などは、脱水を起こしやすくする薬剤として知られています。服用中のお薬がある場合は、必ず薬剤師に「水分補給との関係」を確認しましょう。自己判断で薬を減らしたり止めたりするのは危険です。

いわせ薬局での相談事例

四万十市にお住まいの80代女性のご家族から、「最近ぼんやりしていて心配。お薬との関係はある?」とのご相談がありました。お話を聞くと、夏場でも水分をほとんど摂っていないとのこと。服用薬を確認すると利尿薬と降圧薬が含まれており、脱水リスクが高い組み合わせでした。

いわせ薬局では、水分補給のタイミングを書いたメモをお渡しし、医師へのトレーシングレポートも作成。その後ご家族から「こまめに声かけするようにしたら元気になった」とご報告いただきました。薬の内容と生活習慣を合わせて確認することで、リスクを早期に発見できる可能性があります。

まとめ:脱水予防は「毎日のちょっとした習慣」から

  • 高齢者は喉が渇きにくく脱水に気づきにくいため、家族のサポートが重要
  • 1〜2時間おきにコップ1杯、起床時・就寝前の水分補給を習慣化
  • 口のネバつき・濃い尿・ぼんやりは脱水の早期サイン
  • 服用薬によっては脱水リスクが高まる可能性があるため、薬剤師への確認
  • 重症サインがある場合は迷わず医療機関へ

いわせ薬局にお気軽にご相談ください

「親の飲んでいる薬と水分補給の関係が知りたい」「脱水予防に合う飲み物や栄養補助食品を教えてほしい」など、高知県四万十市のいわせ薬局では薬剤師が丁寧にご相談をお受けしています。

処方せんは来局前にLINEで送っていただくと待ち時間を短縮できます。お薬の受け取りとあわせて、水分補給・脱水予防についても気軽にお声がけください。

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ご家族の健康を守るために、いわせ薬局はいつでも皆さまのそばにいます。どうぞお気軽にご相談ください。

岩瀬裕紀 薬剤師

この記事を書いた人

岩瀬 裕紀(いわせ ひろき)

薬剤師 / 株式会社みのり 代表取締役

高知県四万十市右山天神町で「いわせ薬局」を運営しています。地域の皆様から日々いただくお薬や健康のご相談をもとに、薬剤師の視点でわかりやすく情報を発信しています。土曜営業・LINE処方せん受付・駐車場5台無料で、市内全域からのご来局をお待ちしております。

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