冬になると「体がかゆい」のは乾燥肌のサインかもしれません
「夜、布団に入ると背中やすねがかゆくて眠れない」「掻いたあとに白い粉がふく」「お風呂上がりにピリピリする」。寒さが本格化する11月から1月にかけて、いわせ薬局でもこうしたご相談が一気に増えます。湿疹も虫刺されもないのにかゆい場合、その多くは皮膚の乾燥(乾皮症・皮脂欠乏症)が原因です。
乾燥肌のかゆみは、放っておくと掻き壊して湿疹(皮脂欠乏性湿疹)に進んでしまうことがあります。この記事では、かゆみの段階に合わせた市販薬の選び方と、受診したほうがよい目安を薬剤師の視点でまとめました。
なぜ冬は乾燥でかゆくなるのか
皮膚の表面には、水分を抱え込む「角質層」と、皮脂でできた「皮脂膜」があり、この2つがバリアとして外からの刺激を防いでいます。冬は空気が乾燥し、暖房でさらに湿度が下がるうえ、気温が下がると皮脂の分泌も減ります。バリアが薄くなった皮膚は、衣類のこすれや温度差などのわずかな刺激にも敏感になり、かゆみを感じやすくなります。
特に次のような方は乾燥肌になりやすい傾向があります。
- 60歳以上の方(加齢で皮脂の分泌が減る)
- 熱いお湯で長湯をする、ナイロンタオルで強くこする習慣がある方
- 暖房やこたつ、電気毛布を長時間使う方
- すね・腰まわり・背中など、もともと皮脂が少ない部位
乾燥肌のかゆみに使える市販薬を成分別に解説
① ヘパリン類似物質|乾燥そのものを改善する保湿の主役
水分を角質にとどめる働きがあり、皮膚科で処方される保湿剤と同じ成分です。市販では乳液・クリーム・ローション・泡タイプなどがあり、「まだ湿疹にはなっていないが乾燥してかゆい」という段階の第一選択になります。1日1〜2回、お風呂上がり5分以内に塗るのが効果的です。血行をよくする作用があるため、出血しやすい傷や出血性の疾患がある方は使用前に薬剤師にご相談ください。
② 尿素配合クリーム|ガサガサ・粉ふき肌に
硬くなった角質をやわらかくし、水分を保つ成分です。かかとやひじ、すねの粉ふきに向いています。ただし、ひび割れや掻き壊した部分にはしみることがあるため、傷のある場所にはヘパリン類似物質やワセリンのほうが安心です。
③ かゆみ止め成分(ジフェンヒドラミン・クロタミトンなど)配合
保湿だけでは追いつかない強いかゆみには、抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミンや、かゆみを感じにくくするクロタミトンが配合された保湿剤が便利です。「保湿+かゆみ止め」の両方を1本で済ませたい方に向いています。
④ ステロイド外用薬|掻き壊して赤くなった部分だけに
掻き壊しで赤みやブツブツが出ている場合は、すでに湿疹の状態です。そこには市販のステロイド外用薬(弱いほうからウィーク・ミディアム・ストロングの3段階が市販されています)を短期間使い、赤みが引いたら保湿剤に切り替えます。顔や首、子どもにはウィーク〜ミディアムを選び、5〜6日使って改善しなければ受診してください。乾燥しているだけの部分に広く塗る薬ではありません。
市販薬を使うときの注意点
- 保湿剤は「かゆいときだけ」でなく毎日続けるのが基本です。症状が落ち着いても塗り続けると再発しにくくなります
- 入浴は38〜40度のぬるめにし、ボディソープは手で泡立てて優しく洗う
- かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)は眠気が出ることがあるため、運転前は避ける
- 高齢の方は皮脂欠乏が進みやすく、保湿剤を「たっぷり・広く」塗る量が足りていないことがよくあります。1円玉大で手のひら2枚分が目安です
こんなときは皮膚科へ
- 保湿剤を2週間続けてもかゆみが改善しない
- 赤みや湿疹が広がる、ジュクジュクしている
- かゆみが全身に広がり、夜眠れないほど強い
- 糖尿病・腎臓病・肝臓病の治療中(病気が原因のかゆみのことがあります)
特に全身の強いかゆみは、内臓の病気が隠れている場合があります。「乾燥のせい」と決めつけず、長引くときは受診してください。
よくある質問
Q. 市販の保湿剤と病院の保湿剤は何が違いますか?
ヘパリン類似物質など主成分が同じものも多く、濃度も同等の製品があります。違いは量と価格で、全身に毎日塗る場合は処方のほうが経済的なことがあります。広範囲に長く使うなら、一度皮膚科を受診して処方してもらう方法も検討してください。
Q. ワセリンだけではだめですか?
ワセリンは水分の蒸発を防ぐ「ふた」の役割で、角質に水分を与える働きはありません。入浴直後の湿った皮膚に塗れば十分なことも多いですが、粉ふきが強い場合はヘパリン類似物質や尿素と組み合わせるほうが効果的です。
Q. かゆみ止めの飲み薬は使ってもよいですか?
掻き壊しが止まらない夜などに、抗ヒスタミン薬の飲み薬を短期間使うことはあります。ただし眠気や口の渇きが出やすく、ご高齢の方はふらつきに注意が必要です。塗り薬で足りないと感じたら、飲み薬の前に一度ご相談ください。
Q. 子どもの乾燥肌にも同じ薬でよいですか?
ヘパリン類似物質やワセリンは子どもにも使えます。尿素はしみやすく、かゆみ止め成分やステロイドは年齢制限のある製品があるため、パッケージの対象年齢を確認するか薬剤師にお尋ねください。
まとめ|乾燥肌のかゆみは「保湿」が治療の中心です
乾燥肌のかゆみは、まずヘパリン類似物質などの保湿剤を毎日続け、強いかゆみにはかゆみ止め成分入り、掻き壊した部分だけにステロイドという順番で考えると選びやすくなります。
四万十市の調剤薬局・いわせ薬局では、保湿剤やかゆみ止めを含む約110品目の市販薬を取り扱っており、市販薬一覧で事前にご確認いただけます。お使いの処方薬との飲み合わせや、ご高齢のご家族の塗り薬の選び方もお気軽にご相談ください。保湿ケアの基本は冬の乾燥肌の保湿ケアの記事でも詳しく解説しています。土曜も9:00〜13:00まで営業、駐車場5台無料です。お電話は0880-34-3663まで。