いわせ薬局

HOW TO GIVE MEDICINE お子さまの薬の
飲ませ方ガイド

粉薬・シロップ・坐薬・目薬・塗り薬まで。
年齢と薬の形ごとに、いわせ薬局の薬剤師が毎日お伝えしているコツをまとめました。

このページの内容

※ このページは一般的な目安です。処方されたお薬ごとの説明(薬袋・薬剤情報提供書・薬剤師の説明)が優先します。迷ったら 0880-34-3663 へお電話ください。

BASICSまず押さえたい、飲ませ方の基本5か条

年齢や薬の形が変わっても、この5つは共通です。「飲めた」という体験を積み重ねることが、次に飲ませやすくなる一番の近道です。

5か条

  • 準備してから声をかける。薬・飲み物・ごほうびを手元にそろえ、口に入れてから探さない。粉薬を練る・溶かすのは飲ませる直前に
  • 1回分は正確に、全量を。シロップは付属のカップやスポイトで計る。粉を多く入れすぎた水に溶かすと飲み切れず、量が足りなくなります
  • 押さえつけて流し込まない。泣いているとき・寝ているときに流し込むと、気管に入る(誤嚥)危険があります。落ち着いてから、少しずつ
  • 飲めたら、すぐほめる。シールやスタンプ、「すごいね」の一言で十分。「薬=いやな時間」にしないことがいちばん大切です
  • 迷ったら薬局へ電話。「何に混ぜる?」「吐いた」「飲み忘れた」はよくあるご相談です。自己判断で2回分をまとめない・大人の薬を割って使わない

※ 「食後」と書かれていても、お子さまのお薬の多くは食事と関係なく飲ませてかまいません。満腹だと吐きやすいので、食前・授乳前のほうが飲めることもあります。例外のお薬もあるため、お渡しのときにご確認ください。

BY AGE年齢別・飲ませ方のコツ

同じ粉薬でも、月齢・年齢で「効く工夫」が変わります。お子さまの発達に合わせてお選びください。

0〜5か月

スポイトで頬の内側へ

  • 粉薬は数滴の水で練り、指で上あごや頬の内側に塗る。そのあと白湯を飲ませる
  • シロップはスポイト・スプーン型スポイトで頬の内側にゆっくり。舌の上に出すと吐き出しやすい
  • 授乳前の空腹時が飲みやすい。満腹時は吐きやすい
  • ミルク・母乳には混ぜない(飲み残すと量が足りず、ミルク嫌いの原因にも)

6か月〜1歳

スプーンから・少量ずつ

  • 離乳食が始まる時期。主食(おかゆ・ご飯)には混ぜない。食べなくなることがあります
  • 練った粉薬をスプーンで少量ずつ。飲めたら白湯で口の中を流す
  • 服薬ゼリーやバニラアイスは、この時期から使えます(薬との相性は下の表へ)
  • はちみつは1歳未満には使わない(乳児ボツリヌス症の危険)

1〜3歳

「選ばせる・遊びにする」

  • いやいや期は正面突破より選ばせる。「アイスとゼリー、どっちで飲む?」「どのコップ?」
  • ぬいぐるみに先に「飲ませて」から本人、など遊びの流れに乗せる
  • 飲めたら即ほめる・シール。カレンダーに貼るとやる気が続く
  • どうしても飲めないときは、別の形(シロップ・味つきドライシロップ)に変えられるか処方医に相談できます

3〜6歳

理由を話す・自分でやる

  • 「ばいきんをやっつける薬だよ」「のどの痛いのが楽になるよ」と短く理由を伝える
  • 自分でカップを持つ・自分で飲む。「できた」が自信に
  • 6歳ごろから錠剤の練習を始められます。最初はチュアブル錠(かんでも溶かしても飲める錠剤)が練習に最適です
  • 「お菓子だよ」とは言わない。薬は薬と伝えることが、誤飲の予防になります

小学生〜

錠剤・カプセルへ、自分で管理へ

  • 錠剤・カプセルが飲めるようになると、1回量が少なく学校にも持ちやすくなります
  • カプセルは水に浮くので、水を含んで少しうつむいて飲むと入りやすい
  • 学校で飲む分は、担任・保健室と相談。1日2回の薬に変えられるか医師に相談するのも方法
  • 「なぜ最後まで飲むのか」を本人に。抗生物質は良くなっても処方分を飲み切ります

BY DOSAGE FORM薬の形別・使い方のコツ

お子さまのお薬は形がいろいろ。それぞれ「つまずきやすいところ」と「うまくいくコツ」があります。

🥄

粉薬(散剤・ドライシロップ)

  1. 飲ませる直前に、数滴の水を加えて練る(置いておくとコーティングがはがれて苦くなる薬があります)
  2. 練ったものを指やスプーンで上あご・頬の内側に塗る。舌の先は苦味を感じやすい場所
  3. すぐに水・白湯・薬と相性のよい飲み物を飲ませて流す
  • 服薬ゼリーは「混ぜる」より「はさむ」。ゼリーの上に粉をのせ、さらにゼリーでふたをしてスプーンで。かき混ぜると苦味が出る薬があります
  • 水に溶かしてスポイトで飲ませるなら、水は小さじ1杯(5mL)ほどに。多いと飲み切れません
  • ドライシロップは水に溶かすとシロップになる粉。溶かしたらその回で使い切り、作り置きしない
  • 複数の粉薬が1包になっている場合は、分けずにそのまま。「どれかだけ飲まなかった」を防げます
🧴

シロップ(水薬)

  1. 容器を軽く振ってから(沈んだ成分を均一に。激しく振ると泡立って計れません)
  2. 付属の計量カップ・スポイトで1回分を目の高さで計る。家庭用スプーンは量がばらつきます
  3. スポイトは頬の内側に沿わせてゆっくり。一度に全量でなく2〜3回に分けてもOK
  • 保管は冷蔵庫が基本(室温保管を指示される薬もあるので薬袋を確認)。処方日数で使い切り、残りは取っておかない
  • 冷やすと甘さがやわらぎ、においも気にならなくなります
  • カップ・スポイトは使うたびに水洗いして乾かす
  • 当薬局では、お子さまの量に合わせて目盛り付きの投薬びん・計量カップ・スプーン型スポイトをお付けしています(写真はこちら)
💊

錠剤・カプセル・チュアブル錠

  1. 目安は6歳ごろから練習、小学校入学前後。個人差が大きいので焦らない
  2. まずはチュアブル錠から。かんでも溶かしても飲ませられるので、「口に入れて飲み込む」練習に最適。慣れたら小さな錠剤へ
  3. 錠剤は水を先に口に含み、錠剤を入れてもう一口の水で。カプセルは少しうつむいて飲む
  • 錠剤用の服薬ゼリーも市販されています
  • チュアブル錠はかんで飲む錠剤(溶かして飲ませてもOK)、OD錠は口の中で溶ける錠剤。どちらも水なしで飲めます
  • 錠剤を割る・砕く・カプセルを開けるのは、してよい薬と、してはいけない薬があります。必ず薬剤師にご確認ください
  • 飲めそうにないときは、無理をせず粉薬・シロップへの変更を処方医に相談できます(薬局から連絡することもできます)
🌡️

坐薬

  1. 手を洗い、包みから出す。先が少し溶けるくらい手で温めると入りやすい(水やベビーオイルを少しつけてもOK)
  2. おむつ替えの姿勢(あおむけで足を持ち上げる)または横向きで、とがった方から肛門にやさしく入れる
  3. 入れたあと小指で少し奥まで押し込み、数秒おしりを押さえてから、抱っこなどで落ち着かせる
  • 保管は冷蔵庫。持ち歩くときは保冷剤と一緒に
  • 解熱剤の坐薬を使う間隔や1日の回数は、お薬とお子さまの体重で変わります。お渡しのときの説明に従い、迷ったら薬剤師にご確認ください。使う目安は熱の数字より、水分がとれるか・眠れるか・つらそうかで判断します
  • 半分に切るよう指示された場合は、包みのまま斜めにカッターで切ると量が均等になります
  • 2種類の坐薬(けいれん予防・吐き気止め・解熱)を同じ時間に使うときは順番と間隔があります。処方時の説明に従い、不明なら薬局へ
  • 詳しくは:子どもの発熱に座薬・解熱剤をどう使う?
👁️

目薬・点鼻薬・点耳薬

  • 目薬:あおむけで下まぶたを軽く引き、1滴だけ(1滴で十分な量です)。容器の先がまつげに触れないように。嫌がる子は目を閉じたまま目頭に1滴落として、目を開けたときに入る方法が楽です。2種類あるときは5分以上あける
  • 点鼻薬:先に鼻をかむ・鼻水を吸ってから。あおむけや少し上を向かせて、容器の先を鼻の穴に軽く入れて指示の回数
  • 点耳薬:冷たいとめまいや不快感が出るので、手で握って室温に戻してから。病気の耳を上にして横向きに寝かせ、耳を軽く後ろに引いて指示された滴数をさし、指示された時間そのまま横向きにしておきます。詳しくは子どもの中耳炎の薬
🩹

塗り薬・貼り薬・吸入薬

  • 塗り薬:量の目安は「大人の人さし指の先から第1関節までチューブから出した量(1FTU)」で、大人の手のひら2枚分の広さに塗ります。塗ったあとティッシュが軽く貼りつく程度が適量。お風呂上がりの清潔な肌に、すり込まずやさしくのばす。保湿剤と薬の重ね塗りの順番は薬剤師にご確認ください
  • 貼り薬(ぜんそく・気管支のテープなど):胸・背中・上腕のいずれか1か所、毎日場所を変えてかぶれを防ぐ。お風呂のあと汗をふいた乾いた肌に。はがれたら新しいものを貼り、翌日分は通常どおり。子どもが自分ではがして口に入れないよう、背中側がおすすめ
  • 吸入薬:小さなお子さまはスペーサー(吸入補助具)+マスクで。マスクを顔に密着させ、1回押して5〜6回呼吸させる。ステロイド吸入のあとはうがい、できない年齢は水やお茶を飲ませる。泣いていると薬が届かないので、落ち着いてから

WHAT TO MIX混ぜてよいもの・避けたいもの 一覧

粉薬の「何に混ぜる?」はいちばん多いご相談です。基本は、甘くて冷たくて酸味のないもの。ただし薬との相性があるので、特に抗生物質と抗インフルエンザ薬は、お渡しのときに必ずご確認ください。

食べ物・飲み物ポイント
○服薬ゼリー(市販の「おくすり飲めたね」など)多くの薬で第一候補。混ぜずに「はさむ」。ぶどう・いちご味など酸味のある味は苦くなる薬があるので、迷ったらチョコ味
○バニラアイス・チョコアイス冷たさで味覚がにぶり、脂肪分が苦味を包みます。苦い粉薬の定番
○ココア・チョコクリーム・練乳濃い甘さで苦味をマスク。少量にのせてスプーンで
○プリン・カスタード酸味がなく、なめらかで混ぜやすい
○水・白湯・麦茶基本の飲み物。練るときも水で
△ヨーグルト・乳酸菌飲料酸味で一部の抗生物質(マクロライド系)や抗インフルエンザ薬が苦くなる。薬によってはOK。要確認
△オレンジジュース・りんごジュース・スポーツドリンク同じく酸味で苦くなる薬あり。OKな薬なら少量で
△ジャム・はちみつ甘くて使いやすいが、はちみつは1歳未満は禁止。ジャムは酸味の少ないものを
△牛乳・グレープフルーツ味の問題ではなく、一部の薬の吸収や効き方を変えることがある。薬剤師に確認
✕ミルク・母乳飲み残すと量が足りない。ミルク嫌いの原因になることがある
✕ご飯・おかゆ・離乳食などの主食主食そのものを嫌いになるおそれ。毎日食べるものには混ぜない
✕熱い飲み物・食べ物コーティングが溶けて苦くなる・成分が変化する薬がある。人肌以下で
✕作り置き(朝まとめて混ぜておく など)混ぜたらその場で。時間がたつと苦味が出たり成分が変わる

※ 「△」は薬によって可否が分かれるものです。お渡しのときに「この薬は何に混ぜてよいですか」とお尋ねください。薬袋にメモもできます。

DON'Tやってはいけないこと

  • 泣いている・寝ている子に流し込む——気管に入る(誤嚥)危険。落ち着いてから、起こしてから
  • ミルク・母乳・主食に混ぜる——量が足りなくなる・その食べ物を嫌いになる
  • 2回分をまとめて飲ませる——飲み忘れても1回分だけ
  • 大人の薬を割って飲ませる・前回の残りを使う——子どもの量は体重で決まります。前の病気の残り薬は今回の症状に合わないことも
  • 良くなったからやめる——特に抗生物質は処方分を飲み切る。途中でやめると治りきらない・効きにくくなる
  • 「お菓子だよ」「ジュースだよ」とうそをつく——次から信じてくれなくなる。薬を甘いものと思い込むと誤飲のもと
  • 1歳未満にはちみつ——乳児ボツリヌス症の危険
  • 錠剤を無理に飲ませる——窒息の危険。飲めなければ形の変更を相談
  • 子どもの手の届くところに薬を置く——シロップは甘く、誤飲が多い。冷蔵庫でも奥・高い場所に。チャイルドロック付きの容器も

DAYCARE保育園・おじいちゃんおばあちゃんに頼むとき

日中、ご自身で飲ませられないときの工夫です。処方の段階でできることもあります。

頼むときの工夫

  • 園に頼むなら与薬依頼書(園の様式)に、薬袋のとおりの薬名・時間・量・期間を。シロップは1回分ずつ小分けして持たせると園でも計量不要(小分け用の容器は薬局でご相談ください)
  • ごきょうだいで薬が出たときは、1包ずつお子さまの名前を印字した分包をお渡しできます。預け先でも取り違えません(ご希望の方・写真)
  • 預ける人に「何に混ぜてよいか」「吐いたらどうするか」をメモして渡す。薬剤情報提供書(お薬の説明の紙)を一緒に渡すと確実です
  • お薬手帳(アプリも可)に記録しておくと、別の病院・休日の受診でも飲んでいる薬が伝わります

FAQよくあるご質問

粉薬は何に混ぜて飲ませればよいですか?
服薬ゼリー、バニラアイスやチョコアイス、ココア、練乳、プリンは多くの粉薬で苦味を隠しやすい組み合わせです。オレンジジュース・スポーツドリンク・乳酸菌飲料・ヨーグルトなど酸味のあるものは、抗生物質や抗インフルエンザ薬の一部で苦味が強くなります。ミルクや主食には混ぜないでください。お薬ごとの相性は、お渡しのときに薬剤師にご確認ください。
錠剤は何歳から飲めますか?
個人差が大きいですが、6歳ごろから練習を始め、小学校入学前後で飲めるようになるお子さまが多いです。最初はかんでも溶かしても飲めるチュアブル錠が練習に向いています。錠剤用の服薬ゼリーも使えます。無理に飲ませると窒息の危険があるので、飲めないときは粉薬やシロップへの変更を処方医に相談できます。
目薬を嫌がって目を開けてくれません。
寝ているときや目を閉じているときに、目頭(鼻側)に1滴落としておき、目を開けた瞬間に自然に入れる方法があります。起きているときは、あおむけで下まぶたを軽く引き、容器がまつげに触れないようにして1滴だけ。2種類ある場合は5分以上あけてください。
子どもが薬を間違えてたくさん飲んでしまいました。
まず落ち着いて、何の薬をどれくらい、いつ飲んだかを確認してください。意識がおかしい・けいれん・呼吸が苦しそうなときは119番です。それ以外は、日本中毒情報センターの中毒110番(大阪 072-727-2499・24時間/つくば 029-852-9999・9〜21時)に電話すると、対応を教えてもらえます。当薬局でお渡ししたお薬なら薬局にもご連絡ください。

関連ページ:お子さまの薬・子育て世帯の方へ(小児科の処方箋・医療費助成・キッズコーナー・夜間休日の連絡先)/関連記事:子どもへの薬の飲ませ方・発熱に坐薬・解熱剤をどう使う?・子どもの中耳炎の薬・赤ちゃんのあせも

このページについて

いわせ薬局(高知県四万十市)の薬剤師 岩瀬 裕紀 が、日々の窓口でお伝えしている内容をもとに執筆しています。内容は一般的な目安であり、処方されたお薬ごとの説明が優先します。最終確認日:2026年10月26日。

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